事例紹介 — Ai1とMedusaによる絵画用キャンバスの検査
導入背景
高品質な絵画用キャンバスを製造する企業が、 コンピュータビジョンによる自動品質検査システムを導入し、 梱包前に表面および構造上の欠陥を検出できるようにしました。
目的
- 反射照明による表面欠陥の検出、および透過照明による内部欠陥の検出
- 検査の自動化によって効率を向上させ、廃棄率を削減すること
- 欠陥を種類・位置別に分類し、是正または自動リジェクトを実行
技術構成
本システムは、専用のAi1モジュールとMedusaソフトウェアを使用し、 3.2メガピクセルのエリアスキャンカメラ9台と 反射・透過の二重照明システムで構成されています。
- 3.2MPエリアスキャンカメラ × 9(同期撮影)
- デュアルLED照明:
- 上部照明(反射):にじみ、折れ、汚れなどの表面欠陥を検出
- 下部照明(透過):微小な穴、繊維の破損、内部のシミを検出
- Ai1+Medusaによるエッジ処理とリアルタイム画像解析
- エンコーダーとトリガー信号による同期撮像
検出された欠陥
- 肉眼では見えない微細な穴(透過で検出)
- インクのにじみ、ハロー、異物混入
- 縦方向・横方向の折れやシワ
- 織り密度の不均一、繊維の切断
Medusaソフトウェアの画面例
以下は、キャンバス検査中のMedusaソフトウェアの実際の画面例です:

学習機能と適応性
このシステムは、生産ラインの変化に自律的に適応できるように設計されています:
- ユーザーは新しい欠陥をラベリングし、AIモデルを自分で更新できます。
- 学習データに追加されることで、検出精度が継続的に向上します。
また、Medusaの柔軟な構成機能により:
- 欠陥の幅・高さ・面積などの形状特性に基づいて、検査プロファイルを作成可能
- ミュージアムグレードから産業用まで、品質基準に応じたフィルタリングが可能です
検査結果
指標 | 導入前 | Ai1 + Medusa導入後 |
手動での不良品排出率 | 6.8% | 0.9% |
平均検査時間(手動) | 約18秒 | < 3秒 |
見逃し欠陥 | 記録なし | < 0.5% |
ライン統合
- 重大な欠陥時にコンベアを停止するデジタル信号を出力
- 欠陥画像を自動で保存し、トレーサビリティを確保
- プロファイルやレシピの管理が容易なユーザーインターフェース
柔軟性
本システムは、さまざまなサイズや種類のキャンバスに対応可能で、ハードウェアの変更を最小限に抑えます。 Medusaの力により:
- ユーザーが独自に品質基準や検査プロファイルを設定可能
- AIは異なる織り方・厚み・透過率に自動で適応します